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癖になる

どうもです。
植物にも寿命があるはずなのに
異常なまでに長生きするのがたまにいて
不思議に思うインチョです。


整形外科や接骨院、治療院で働いていると
よく患者さんに「これって癖になりますか?」と聞かれます。

肩の脱臼
むち打ち
各関節の捻挫
腰痛
関節に溜まる水
などなど…。


恐らく
治療を受けても何度も同じ状態になってしまう事から「癖になる」という表現が出てきたものと思われますが

私の思う「癖になる」というのとちょっぴり認識が違う場合がありますね。


医学用語の中には「習慣性~」という言葉があって、構造的な問題が有りそれによって繰り返す問題についてそう呼ばれています。

例えば肩の習慣性脱臼というのがそれになります。
過去に脱臼の既往が有り、当時の傷がきちんと治り切らなかった場合や
生まれつき肩関節の留め具に弛みがあって
通常の生活の中であっても脱臼を繰り返してしまう病態です。

この場合は「癖になる」という表現で間違いないように思いますが、一方で
「膝の水を抜くと癖になる」という表現はどうでしょう。

膝の関節は滑液胞と呼ばれる袋の中に存在し少量の水(滑液:通常10cc~)で満たされています。

滑液は関節の摩擦を軽減したり軟骨をはじめ関節内の構造物に対しての栄養を担っていて、関節内に損傷を受けると滑膜からの分泌が亢進し「水が溜まった」状態になります。

一定以上溜まってしまうと関節内圧も亢進してそれによる痛みが発生します。

水を抜くという行為は関節内の圧力を下げる為に行うモノで、損傷に対して行う行為では無いんですね。

すなわち、水は損傷が治っていかない限り溜まり続ける事になります。

水を抜くと一時的に内圧が下がり症状の軽減に繋がりますが、それを治ったと勘違いして負荷をかけてしまえばまた溜まってしまうわけです。

これを多くの人が「癖になる」と呼んでいるわけで、少々意味が異なりますよね。
ただ治っていないだけという事になります。


何かしらの症状が繰り返して困る時
「癖になった」と思うのは自由ですが

なぜ繰り返すのかを知る事で
改善に導ける場合があるという事です。

むち打ちや腰痛には上記2つの要素が混在する場合もあります。

構造上どうしようも無い問題と、癖だと思い込んで、ただ知らずに改善させていなかっただけのモノもあるんですね。

それに気付くかどうかの違いだけでも
大きいのではないでしょうか。


治療院という性質から
慢性的な症状で悩む方も多いです。

体調の不良に陥るとまず
大多数は病院に行きますね。
それでいいと思います。

ただ、それで漏れてしまった患者さんを
どの様にして救っていくのかという話です。

治療院に訪れる患者さんの中には
「病院に行ったけどなかなか…」という話をなさる方が結構います。

だから私は病院と同じ事はしないし(当然医者ではないので出来ませんが)、病院では与えられない様な話をたくさんする事にしています。

治りにくい人達に対して
何が出来るのかを考える毎日です。




追伸

今日もまとまらない日記でしたね(笑)

立場を明確にしておく事も大切と思っています。

どうして鍼灸師や柔道整復師が、医者と
対決しようとするのか意味がわかりません。

人の身体に対して様々なアプローチがあって良いと思いますし、それぞれがお互いに無い武器を持っているなら、それを有効に使ってもらいたいと思うのは変なのでしょうかね。

めんどくせっ(笑)



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by real-incho | 2011-09-29 12:14 | 身体の話