腱鞘炎と治療

手首や指の痛みを訴える方は
「腱鞘炎ですか?」と質問する事が多いです。

そもそも腱鞘って何でしょうね。


腱鞘とはその名の通り「腱の鞘(さや)」
の事。

手の様に繊細な動きをする構造では
関節周囲に余分なモノが存在すると
邪魔になるので、筋肉が遠方(手であれば前腕部分)に集中し腱のみを伸ばし指の骨に付けるという形をとります。

そうなると、腱が関節をまたぐ部分などで摩擦が生じ易くなり、繰り返しの軽微な動きによって損傷を受けるので、それをスムーズにする為に「鞘」がついているんです。

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手の甲から見える腱鞘はこんな感じで存在しています。


なので

腱鞘炎と言ったら「この部分の炎症」
という事になります。


初めのうちは特定の動作をした時にのみ痛みが出るという症状ですが、ひどくなってくると腫れ上がり常に痛みを感じるようになります。

医療機関に受診すると
局所の炎症を抑える注射をしたり
同様の目的で電気治療を加えたり
患部の動作を制限するような指導や
固定具を処方される事が殆どで

印象としては
「治療を受ける事で治っている感じが無い」
というのが現実だと思われます。

手は毎日使うので休める事が難しいですし、そもそも特定の動作を繰り返す必要があったからこそ傷めたものなので、それを制限されるという事はそれなりの苦痛や不便を伴います。

固定具にしても、着脱可能なものでも水仕事がしづらいなどの問題がありますね。


痛みが存在するので、強制的に使用を制限される事が回復の決め手になる場合も多いです。

一方、それでも無理矢理使い続けると
炎症にさらされ続けた腱鞘は強度を増そうとして肥厚(ぶ厚くなる)してきます。その事がかえって腱との摩擦を生み、治り難くなるというサイクルに陥ってしまうんですね。

肥厚した腱鞘も多少なら安静によって元に戻りますが、それ以上になると戻らず慢性化の傾向が出てきます。

そうなったら外科的な処置になります。

患部を切開して摩擦の素を開放するという方法です。



つまり

(他でどの様に指導するかは別としてうちでは)

腱鞘炎の初期段階においては、治療よりも養生(安静や固定などの管理)の方に比重を置いて頂きたいという事です。

運動器疾患(外傷含む)においては
風邪のように薬を飲み続け無理をしていてもそのうち治るという事が多くはありません。

湿布を貼っていてとか
無理をしていても自然に治ったとか
あると思いますが

そのような期間を経ても改善しない場合は、客観的に生活を評価して対応する事も検討しなくてはなりませんね。

鍼灸、スポーツトレーニング、整骨を
担う当院では、鍼灸治療、ストレッチ、電気治療、固定などの手段がありますが

それでも患者さんの使用状況を制限する事の方が治癒に向う上で大切だと申し添えています。


蛇足になりますが


妊産婦さんや
更年期に差し掛かった方に
腱鞘炎が多く発生しているという報告もあります。

女性ホルモンが筋肉などの柔軟性に関与していて、それが乱れる時期に一時的に患部の負荷が増大する為と考えられているようです。

世代的に
急に始まった育児や孫の面倒という事で、手の使用が増えるとも言えますが
男性に比べ女性に多いトラブルであるという事をふまえれば

理論的にはそういう事もあると
知っておいても損はないですね。




追伸

患者さんを増やすようなブログを書かないという事で、お叱りを受ける事もありますが

「患者さんがよくなる」

ことを第一に考えればこそと
理解して頂ければ幸いです。



では。


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by real-incho | 2014-03-13 22:11 | 身体の話