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腰部脊柱管狭窄症を通して

資格を利用して症状に悩む方々に何かできないかと考える日々です。

その場しのぎの手当ても
治癒を目指す継続的な治療も
足を運ぶ方々の様々な要望に応える事が仕事だと思っています。

しかし、多様な訴えに対応しようとする想いが空回りすると外部から見える治療院の方針がぼやけてくるのも事実です。

ある方は頑張る自分へのご褒美として肩こりや腰痛浮腫みの解消、またある方はリウマチによる痛みの軽減目的、またある方は腰部脊柱管狭窄症と診断を受けいずれ手術と言われるが今現在の症状に困っているのでなんとかして欲しい、美容鍼灸に興味があり試してみたい、捻挫の治療など。
当院利用者の要望は多岐にわたり、各々が「そういう治療院」という認識になっていきますね。

そもそも私の開業は、病院勤め(整形外科や外科)の中で(一部)解消されない問題について保健医療の制約に捉われず「症状の改善」にこだわりたいという想いで始まりました。

従って、他院(病院を含むその他医療)でうまくいかない症状にも何か活路があるのではないかという視点を持つようになりました。
放置して治るならそれも良し、薬や湿布、食事や睡眠、祈祷やまじないだろうが何だろうが、その人が良くなれば私は良いと考えています。

その事が受け入れる窓口を広げる事に繋がったし、私自身の知識や技術を伸ばす原動力にもなりました。



1月も中旬に入り今更抱負という事でもありませんが、初心に還ってそのことを大切にしようと思うものです。


さて
医者に行って「これは○○だから仕方が無い」というような流れで痛み止めを貰ったり、効いてるのかどうかわかりにくいリハビリをこなし続ける方は未だに多いですね。

「医者にわからないモノがお前(鍼灸師)にわかるものか」

「医者の治療が最高レベルなのだから、それ以外に必要性はない」

など、たまに聞きます。

一部合っていて一部間違えていますね。



現在通院中の腰部脊柱管狭窄症の患者さんの例です。

腰が痛くそれは時折左右のお尻から両脚な広がり、左脚は常に痺れていて右にも出ることがある。両方の足の指に力が入らず歩く時に困る。日常生活の中で激しく痛むことがあり立ち止まって耐え痛みをしのいでからまた動く。

MRI検査を経て診断を受けたが症状の大きさと本人の意向を踏まえ「いずれ手術」という事で痛み止めと電気治療とちょっとした運動療法を受けていました。

1年間続けた結果、症状に改善は無くむしろ少し悪化しました。

病理を考えればそれは想定内の事で
手術までゆっくり進んでいるんですよね。



ここで「他に打つ手は無いか」と考えます。

一日にさばき切れない程の患者さんを抱えて時間に追われ、尚且つ保健医療の制約下にあるお医者さんとは違う私にできる事は何かを考えます。

腰部脊柱管狭窄症とは、背骨の中を縦に貫く脊髄を通す空間が物理的に狭くなる病気の事で、腰から足にかけての痛みや痺れ、感覚障害などを症状とします。

腰や脚に広がるこれら一連の問題は、その多くが腰に病気の本体を持つ事が多い為、また、画像診断で抽出できる異常所見が腰にほぼ限られている為に診断の拠り所となるものですが、一方では画像で得られた所見と実際の症状とにどれだけ関連性があるのかについては確証を得る事ができません。
事実、これら基質的病変を伴う他の疾患についても症状だけがなくなり所見は変わらないというケースが少なくないという報告があります。

腰が痛くて病院に行きヘルニアと診断されたのなら「ヘルニア(飛び出し)が引っ込まなければ症状に変化が出ないはず」なのにも関わらず、日常の中で症状があったりなかったりするというのはよくある話です。

すなわち、外部から手を加えて変化が期待できない部分に捉われる必要はないということになります。
同様の症状を引き起こす問題は他にも幾つか考えられるわけです。

もちろん可能性の話なのでやってみなければ結果はわかりませんが。


先の患者さんはその方針で1年間治療を試み、当初の数分の一ほどの症状まで回復できました。当然狭窄に変化はありません。


このような流れに乗れたのも
ひとつは病院がしっかり存在してくれるからこそです。
鍼灸師には血液検査も画像診断もありません。

病院があるから「足りない手当て」に気付くことができて、私の治療に活かす事ができます。

こうやって少しでも多くの方の回復に貢献できたら嬉しいですね。


身体の話のつもりが
書きなぐりの徒然になりましたねぇ…。






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by real-incho | 2014-01-15 20:45 | 身体の話