第2ケーラー(Köhler)病


家事や育児、趣味やスポーツ、お仕事に毎日動き回る生活の中で「痛み」が邪魔をするというのは勘弁なりませんね。

誰しも苦痛から早急に逃れたい気持ちは一緒だと思いますが、治療する側になってみると申し訳けなく思っても「ある程度長引いてもやむをえない」という状況も出てきます。回復に一定の期間を要するものや、症状を悪化させる要因が除外し難いもの、打つ手が限られている場合などがそれになります。

そうはいっても「早くよくなりたい(してあげたい)」というのが人情ですから、あれやこれやと知恵を絞る毎日です。



さて
足の指の付け根が痛いという30代の女性がいました。右足人差し指の付け根です。
初診が私の所でしたから整形外科への受診を勧め『第2ケーラー(Köhler)病』との診断を受けました。

いつものように標準整形外科学(医学書院)から抜粋します。以下

第2ケーラー病
《中骨骨頭の無腐性壊死で、第2中足骨に多く、次いで第3、4中足骨にも発生する。10歳から17歳までの女性に多い。中足骨頭部の疼痛、腫脹、圧痛に始まり、進行した例では変形した骨頭に触れる。X線像では骨頭部の陰影が濃淡となり、分節や扁平化をきたす。進行例では関節裂隙が狭小化した関節症を示す。保存的には横アーチを付けた足底板が用いられる。関節症に至ったものには骨頭のくさび状骨切り術が行われる。関節症の発生頻度が高く予後はあまりよくない。》以上

d0249630_13203837.jpg

画像はネットから拝借。イメージです。


第2ケーラー病はFreiberg(フライバーグ、フライベルグ)病とも呼ばれます。上記抜粋では「予後はあまりよくない」とありますが、患者さんの年齢や初診時の程度によって回復に差があるようです。また、ネットでは「原因は不明」としながらも、履き物などによる患部への物理的且つ繰り返しの負担が原因のひとつとしていますが、10代女性に多いことを考えるとそればかりとは言い切れませんね。

今回の症例では症状が比較的軽微でX線検査の所見も軽度だった為、手術という選択肢はなく足底板の処方にとどまっていましたが、それでも多少の不自由があるという事で「何か方法はないか」という依頼になりました。

無腐性の骨壊死という点では過去ブログ「キーンベック(Kienböck)病」参照と同じような状況です。
しかし、手と違い足の場合は負担を避ける事がより困難になりますね。(何より固定が困難)

当院の考え方としては、足底板に加え、別の方法も組み合わせて患部への「あたり」を変えて様子をみるのがポイントです。
その為に、履き物や歩き方、足の骨格やそれに影響する筋肉の問題などを考えて処方します。

結局、症状がある程度おさまった状態で2年が経過する事になり、患者さんも妥協できる状態を維持しています。途中でX線検査を受けた事がありますが「所見は変わりませんね、具合が良いならそのまま様子を見ましょう」という話しになっています。

手術という最終手段には届かず、かといって生活に制限も出せず、苦痛は続くという状況の中で、どうすれば質を上げる事ができるのかを考えるのも大切なお仕事です。



おしまい




はなわ治療院HPはこちらからどうぞ









.



[PR]
by real-incho | 2016-05-19 11:39 | 身体の話