カテゴリ:身体の話( 80 )

それって何ですか?


お散歩コースにいた数頭のヤギを最近見かけません。食材になってしまったのではと心配しているインチョです。


さて、
患者さんの身体を触っていると
「それって何ですか?」と聞かれる事があります。

少なくとも、国家資格を持つ治療者ならだいたい答えられる質問です。

医学を学ぶ人間の為に亡き骸を提供して下さる方がいて、医科大学や鍼灸大学などでの解剖学という授業の中でそれを教材にさせて頂く事で、私達は身体の中身を熟知する事ができます。



袋に入ったプレゼントの中身がおおよそ見当のついたものならば、触れただけで何かがわかるという仕組みですね。

人間の身体は、だいたい同じような構造になっているので、表面に触れる構造を指標にすることで全体を把握することも可能です。

位置がおかしい
数がおかしい
動きがおかしい
形がおかしい

など、触れてわかる情報は多いものです。

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*特定の構造物を基準に別の位置を探る。

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*特定の姿勢にすることで触れる事ができる構造がある。




こういうものを駆使して、より正確な診察が行えるようにしています。


たまに整体などに行くとチンプンカンプンな事を言う人もいますが、知らないから仕方がないのでしょうね。



《画像出展:四肢と脊椎の診かた 医歯薬出版》




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by real-incho | 2016-06-09 16:23 | 身体の話

神経麻痺と回復


治療院に顔写真の載ったポスターを掲示しておくと、いつの間にか目や鼻の所に画鋲や磁石が移動していて「みんな、やる事は同じなんだな」としみじみしているインチョです。

このブログも270本を超えそれなりのボリュームになったと思いますが、ブログで飯を食う人に比べれば微々たるものですね。




さて、
右手首を甲の方に曲げる動作(背屈)と、肘から親指と人差し指の甲側にかけて皮膚の感覚が無い状態が突然現れて困ったという50代男性が来院。
脳梗塞などを懸念して病院で検査したものの異常はなく鍼灸を選択という流れ。

先に結論から書くと、病院での説明が上手く患者に届いていれば転院する必要は無かったと思われます。

筋肉活動や皮膚感覚の麻痺は、脳を筆頭とした「神経の問題」と考えるのが一般的で、これは更に「中枢神経と末梢神経の問題」に分かれ、それぞれ問診や検査を経て更に細かい問題に進んでいきます。

中枢神経と末梢神経の違い。イメージ
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今回の症例では、末梢神経(上肢)の問題という事で話しを進めます。

上肢に延びる末梢神経のほとんどは頸部の脊髄(中枢神経)から枝分かれしており、それは以下の様に「行き先」がほぼ決まっていて、症状から逆にどの神経に問題がありそうなのかを推測できます。
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*あいにく良い画像がなかったのでコレです。問題になるのは青で書かれた橈骨神経。手首を背屈する筋肉や上記症状範囲の皮膚知覚を担っています。

麻痺は「神経の連絡が断たれた状態」ですから、犯人は橈骨神経のどこかにいて、何かしら悪さをしているとわかります。

神経の連絡が断たれた状態になるには様々な要因が考えられますが、ここではSeddn(セドンさんが名付けた)末梢神経障害の分類というのを適応します。
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上から順番(損傷の軽い順)に

①neurapraxia(ニューラプラクシア)
神経がちょっと傷んでいて回復する。

②axonotmesis(アクソノトメーシス)
①よりもう少し傷んでいるが回復の見込み有り。

③neurotmesis(ニューロトメーシス)
線維が完全に断裂しており手術以外では回復しない。

かなりざっくりですが、こんな感じで分けています。

問診や検査を経て①ないしは②と予想され、またその部位についておおよそ特定できましたから、必要となる治療方法と管理が決まり2ヶ月で80%、4ヶ月でほぼ完治しました。

いつも書きますが、どんな検査を行っても原因のわかるものとそうでないものがあります。
治癒率を上げるには、わかっている事に確実に従う事と「わからない事が何なのかをわかる事」が大切だと思います。
この例にも不確定要素はありましたが、それを最小限にする努力はしましたね。


はじめにも書きましたが、この症例は私の所に来ずとも(わざわざ病院を変えなくても)治った可能性が高いと予想されます。
病態の理解と予想される治療期間について、じゅうぶんなコミュニケーションがあれば二度手間は防げたと思いますね。

結果的に患者さんは喜んだので問題はないし、そもそも「二度手間」だと気付くのは私だけという事になりますから、どうでも良いといえばそうなんですけど、不景気だの医療費の削減だ何だと騒ぐご時世ですから、気付かないとはいえ患者さんに無駄な労力や出費を抑えさせてあげるのも親切というものじゃないかと考えたりもしますね。


追伸

専門家の皆さんには初歩中の初歩、一般の方には全体像が見渡せる内容にしたかったのですが、後半からグダグダになり申し訳ありませんな。


おしまい





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by real-incho | 2016-05-20 10:35 | 身体の話

第2ケーラー(Köhler)病


家事や育児、趣味やスポーツ、お仕事に毎日動き回る生活の中で「痛み」が邪魔をするというのは勘弁なりませんね。

誰しも苦痛から早急に逃れたい気持ちは一緒だと思いますが、治療する側になってみると申し訳けなく思っても「ある程度長引いてもやむをえない」という状況も出てきます。回復に一定の期間を要するものや、症状を悪化させる要因が除外し難いもの、打つ手が限られている場合などがそれになります。

そうはいっても「早くよくなりたい(してあげたい)」というのが人情ですから、あれやこれやと知恵を絞る毎日です。



さて
足の指の付け根が痛いという30代の女性がいました。右足人差し指の付け根です。
初診が私の所でしたから整形外科への受診を勧め『第2ケーラー(Köhler)病』との診断を受けました。

いつものように標準整形外科学(医学書院)から抜粋します。以下

第2ケーラー病
《中骨骨頭の無腐性壊死で、第2中足骨に多く、次いで第3、4中足骨にも発生する。10歳から17歳までの女性に多い。中足骨頭部の疼痛、腫脹、圧痛に始まり、進行した例では変形した骨頭に触れる。X線像では骨頭部の陰影が濃淡となり、分節や扁平化をきたす。進行例では関節裂隙が狭小化した関節症を示す。保存的には横アーチを付けた足底板が用いられる。関節症に至ったものには骨頭のくさび状骨切り術が行われる。関節症の発生頻度が高く予後はあまりよくない。》以上

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画像はネットから拝借。イメージです。


第2ケーラー病はFreiberg(フライバーグ、フライベルグ)病とも呼ばれます。上記抜粋では「予後はあまりよくない」とありますが、患者さんの年齢や初診時の程度によって回復に差があるようです。また、ネットでは「原因は不明」としながらも、履き物などによる患部への物理的且つ繰り返しの負担が原因のひとつとしていますが、10代女性に多いことを考えるとそればかりとは言い切れませんね。

今回の症例では症状が比較的軽微でX線検査の所見も軽度だった為、手術という選択肢はなく足底板の処方にとどまっていましたが、それでも多少の不自由があるという事で「何か方法はないか」という依頼になりました。

無腐性の骨壊死という点では過去ブログ「キーンベック(Kienböck)病」参照と同じような状況です。
しかし、手と違い足の場合は負担を避ける事がより困難になりますね。(何より固定が困難)

当院の考え方としては、足底板に加え、別の方法も組み合わせて患部への「あたり」を変えて様子をみるのがポイントです。
その為に、履き物や歩き方、足の骨格やそれに影響する筋肉の問題などを考えて処方します。

結局、症状がある程度おさまった状態で2年が経過する事になり、患者さんも妥協できる状態を維持しています。途中でX線検査を受けた事がありますが「所見は変わりませんね、具合が良いならそのまま様子を見ましょう」という話しになっています。

手術という最終手段には届かず、かといって生活に制限も出せず、苦痛は続くという状況の中で、どうすれば質を上げる事ができるのかを考えるのも大切なお仕事です。



おしまい




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by real-incho | 2016-05-19 11:39 | 身体の話

キーンベック(Kienböck)病


健康管理の第一歩は正しい知識からという事で、予約制で1人治療院のメリットを活かし細かい問診や症状の説明などに時間を割くことが多いです。

治療を提供する側としては「治す」という事に固執しがちですが、患者さんは必ずしもそうではなく、それが満たせない条件の中で如何に快適に過ごせるかを模索している事もしばしばですね。そもそも、健康に対する考え方も人それぞれで治るものならそれに越した事はないのですが。



さて、手首が痛いといって来院した患者さんがいました。
50代男性で数年前に病院でキーンベック病と診断。特定の動作で痛みが出てしまい不自由だが仕事を変える程ではない為、ずっとそのままにしておいたそうです。

まず、標準整形外科学(医学書院)からの抜粋です。以下

《【概念】月状骨の無腐性骨壊死症で、何らかの原因による月状骨への血行障害が本症を引き起こすと考えられている。青壮年男子に多く、特に大工など手に絶えず力が加わる職業の人に見られるので、外傷と関係があると考えられている。
【症状】手関節の掌背屈制限、運動痛、月状骨部の圧痛と腫脹が特徴的である。X線所見で月状骨に骨壊死を思わせる硬化、扁平化、分裂像が認められる。
【治療】手関節を装具などで固定する。この治療は長期にわたるので、労働者には早期に職場復帰できる手術的治療法が適切である。手術法には、月状骨有頭骨間固定術、月状骨摘出術、橈骨遠位部短縮術などがある。》以上。

キーンベック病は確かに青壮年の男性に多いですが女性や高齢者にも見られます。原因も、手にかかる負担ばかりとは言い切れない症例もあり誰にでも可能性がある病気(?)です。

手関節部には手根骨と呼ばれる小さな骨(8つ)が密集した部分があり月状骨はその一つなのですが、他の7つに無腐性壊死が少ない事を考えると、この骨の特徴が原因と関係ありそうですね。

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手首の骨の構造です。


①前腕の骨(橈骨)と接する位置にある。手をつく動作で圧力がかかる。
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*手首を掌背屈させた時に月状骨にかかる負荷のイメージ。

②靭帯の結合が弱く比較的不安定。
月状骨だけが飛び出したり、あるいは他の7つだけが飛び出す脱臼が多いなど、他との連絡が少ない。

③付着する筋肉を持たない。
骨を栄養する骨膜が少ない為、回復力が乏しい。

(④血管の分布に乏しく回復力が低い)

などが考えられます。

痛みの強いものなら社会復帰を考慮して手術が望ましいのでしょうが、微妙な症状の場合は難しくなりますね。

壊死を起こし変形した月状骨は元の形に戻ることがありませんから、手術以外を選択した場合は動作によって痛みが出ない(少ない)状態にしてやれば良いということになります。

当院では、動作時の月状骨の「あたり」が変わる様に徒手的に少しだけ位置を変えてみる方法をとり痛みの軽減を観察しました。
構造から察するに、この方法も全てに効果を上げるわけではありませんが、患者さんの希望によっては選択の価値はあると思っています。

ですから
「キーンベック病が治る」とは言いません。

手術をしない(したくない)症例の内、一部を回復に導くことができますよということです。

症状を回復させる為に休息が必要なものはたくさんありますが、原因が仕事だったりして簡単に休めないような状況の時には、コンスタントに治療を受けることや患者さん自身が病態を理解して振る舞い方を身に付けることが重要になります。「ああしろこうしろ」とか「これはやっちゃダメ」とか言っても「なぜそうしなければならないのか」がわからないとうまくいかないんですよね。

一般的に、病院などではこういった細かい話しを聞く機会は少ないと思い開業後は努めて実践することにしています。

お医者さんも当然この程度の事は知っていますが、患者さんの数などの関係でできないのが現状のようですし、固定と手術以外の手段については私のような立場の人間が少しでも補う事ができたらと思いますね。


治せるものは治しますし、残念ながらそうならないものには、どうするのがベターなのかをお話ししています。




おしまい。



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by real-incho | 2016-05-17 13:53 | 身体の話


「レントゲン撮影では異常がないと言われ痛み止めをもらっています」

という肩の痛みで悩む人は多いです。

細かい組織の別を考えず広い意味での呼び方として「結合織炎(骨には異常が無く、その周囲の筋肉や靭帯、滑液包などの【肉】が痛みの原因と思われる)」とも呼ばれる状態です。
あえて【肉】と書きましたが、人によってはスジとか呼んだりしますね。
五十肩、肩関節周囲炎、腱板炎、滑液包炎などと呼ばれるものが含まれます。

この結合織炎の年齢分布を見てみると
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(*出典:肩診療マニュアル 医歯薬出版)

このようになります。

30歳から60歳代にかけて多い傾向があるようですね。

このことから
【変性と使用状態】が主な原因であると言われています。

変性とは、簡単にいうと「加齢に伴う組織の変化」の事で、活動や強度の低下、摩擦などの起こり易さが現れる状態のこと。

変性が年齢とともに進む割りに世代が
壮年に集中するのは、スポーツや仕事などでの使用状況が高齢者に比べハードである為と予想されています。

世代的に「気持ちとカラダのギャップ」が大きい時期なのでしょうかね。

「今まで全然問題なかったのに」
「特に変わった事をした覚えはない」
「歳なんでしょうか」
「運動不足ですか」

など患者さんはいろんな事を言います。

変性という点からみれば、誰にでも訪れる老化現象が基盤となって些細な動作で起こったと思えるし、

使用状態からみれば、組織の強度に見合わない負担にさらされた為起こったと思えます。

どんなに健康管理ができていても避けられない問題があるとはいえ、組織を「よりよい状態にしておく」事は可能で、そういう意味では運動やストレッチ、栄養や睡眠など日頃の管理というものが発症を予防(ないしは改善)に繋げるポイントになると言えるし、また、構造からみて「安全な使い方」というのを理解する事も同様ですね。

この世代の抱える「痛み」は
転倒や事故などによる突発的な大きな外力によるもの以外に、本人が気付いていなかった構造の劣化と痛みが無かったせいで知らずに続けていた行為の連続によって引き起こされているものが肩に限らず多く含まれるように思えます。

構造というからには「骨格の歪み」というのもリスクかもしれませんね。
(知らんけど)

患者さんによって症状が長引く原因がわかりにくくなるのは、こういった問題が程度を変えて混在する事が理由のひとつではないでしょうか。

どんなに良い治療も「その場で無かった事にする」わけではないので、症状を生み出し続けるのを抑制するよう誘導してやることも重要です。


患者心理としては、一度受けて変わらないと「効果無し」とハードルを課したいものですが、症状によってはこういった取り組みが大切になってくるんですね。
理解を得つつ進めていけたらよいと思います。

追伸

上記から
医療機関に受診せずとも良くなる可能性のある症状があるというのも見逃せません。
ちょっとした事を「知る」だけで解決してしまうこともあるんですね。

そういうのは
大事ですよね。



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by real-incho | 2016-02-01 09:29 | 身体の話

長胸神経損傷(翼状肩甲)

ご無沙汰しております。

近所に大衆食堂があることを知り大いに喜んで行ってみたところ、おばちゃんからの「サービスという名の大盛り攻撃」に危うく撃沈しそうになったインチョ。「アンタ若いんだからこれ位食べられるでしょっ!」などと言わんばかりです。ご期待に添うべく本気で食べましたよ。ご馳走様でした。



さて、久し振りに長胸神経の問題を抱えて来た方がいたので書こうと思います。

まず長胸神経。
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こんなところを通って「前鋸筋」という筋肉にくっついています。前鋸筋は肩甲骨を胸郭に押し付けておく働きがあるので、もしこの働きが無くなると
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こんなふうになってしまい、これを「翼状肩甲骨」と呼びます。

ちなみに日本整形外科学会HPでは
このように記載されています



痩せ型の中年男性(右利き)がゴルフのテイクバック(クラブを振りかぶる動作)をする時に左肩が痛くて出来ないという訴えで来院しました。

あれこれ調べた結果「長胸神経損傷」ということに。

長胸神経を傷める原因は多く、案外些細な事も含まれることから
患者さんは原因がわからなかったり、訴えも長胸神経からは離れた部分(今回で言えば肩)に出てくる場合が多い(前鋸筋が痛いとは殆ど言わない)ので赤ら様に翼状肩甲骨を呈していない限り見過ごす可能性も出てきますね。

運動器の症状では、単なる使い過ぎなのか、フォームがおかしいのか、関節の位置そのもの(構造)がおかしいのか、あるいは他の病気なのかを常に考えなければなりません。


この方の場合「身体を深く沈める腕立て伏せ」がどうやら原因で長胸神経を傷めてしまったようでした。

治療の詳細は端折りますが経過は良好です。


「肩が痛くて動かせない」と周囲に訴えると五十肩なんじゃないの?とか言われるものですが、中にはこういうモノもあるんですね。



おだいじに。





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by real-incho | 2015-03-13 13:31 | 身体の話

頭痛と鍼灸師

通勤用の駐車場を変更して4ヶ月。隣の柴犬が当初は毎日吠えていたのですが最近は寝転んだままジロリと見るだけになりました。普段患者さんから聞いている「熟年夫婦像」が脳裏に過ぎりました。


さて、
今回は頭痛の話です。

頭痛について書くのは3回目
過去のブログはこちらです。

普段の頭痛の治療で行う手技が頸動脈小体に与える影響の可能性について、ふと疑問に思ったので調べていたところ、興味深い記事を見つけました。

【医学研究】脱神経処置による重症高血圧の治療←なんべんやってもリンクに飛ばせませんでした。ざっくり言うと頸動脈小体の支配神経を断つと交感神経の機能が低下して血圧を下げたという報告です。

頸動脈小体の求心路は舌咽神経(洞神経側枝)から延髄の弧束核だということはわかりましたが遠心路は「自律神経」という記載しか見つけられず、結局、手技との関連はわかりませんでしたが、私が鍼灸師として行う治療が頭痛に対して影響力を持つ可能性を感じることができました。

鍼灸師の治療効果として「自律神経の調整」というのがあり、一般にはどうだかわかりませんが我々の間では知れた事実となっています。
慢性であれ一過性であれ高血圧が頭痛に対して影響があることはわかっていますので、遠巻きながら治療の効果というものが期待できるのではないでしょうか。

局所としてのアプローチなら
星状神経節刺鍼のように研究機関での検証が期待され、自分も関わりたいと思ってしまいますが、今は目先の患者さんが大切ですね。誰かが検証してくれるのを待ちたいと思います。



では。




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by real-incho | 2014-10-09 15:16 | 身体の話

ストレートネック

カタツムリと紫陽花(アジサイ)は、よくセットになってカレンダーや絵に描かれていますが、実際にはカタツムリはアジサイの葉っぱは食べないのだと知って驚いたインチョです。


さて
首や肩が痛かったりしてレントゲン写真を撮ると「ストレートネック」と言われることってありますね。

人間の背骨は前後にS字状の蛇行をしていて頸椎では前方に湾曲しています(生理的湾曲)。これが失われ画像的に頸椎が上下に真っ直ぐになった状態が症状の一因であるという指摘です。

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これは別の画像ですがストレートっぽいのでイメージとして。


ストレートネックを原因の一つに据えた症状はたくさんあって、首や肩や背中の痛みやこり、頭痛、腕の皮膚の感覚異常や痛み、筋力の低下など、頭から手の指先まで(背中を含む)がその主な範囲となります。

頸椎症や頸椎ヘルニア、胸郭出口症候群、頸腕症候群と呼ばれる病名でもストレートネックを伴ったものがあります。
(※ストレートネックは病名ではなく現象を指した名前です。)

原因は主に姿勢にまつわる習慣というのが一般的で、デスクワークや趣味、睡眠時の頭の位置など、一定時間以上湾曲を損なう同じ姿勢を取り続けることがよろしくないと言われますね。

一方で、首や肩に長期間何かしらの症状を抱えたことが原因であるという説もあるようです。(これは私が調べたわけではないので裏付けがあるわけではありませんが)。

いずれにしても
湾曲ありきのその他の構造ですから、それが無くなったことで位置関係やそれを支えたり動かしたりする靭帯や筋肉にも影響が出る可能性があるわけです。

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赤いのが動脈、黄色いのが神経


頸椎には上下に貫く椎骨動脈という血管を通す穴や、脳から続く脊髄を収める穴があったり、動きを担う関節があったり、上下椎骨により形成される神経の出口があったりと盛り沢山な上に、首や肩の繊細な動きを担う筋肉なども豊富に存在していることから、それによって出てくる問題も多様になることがうかがえますね。


ストレートネック自体の原因は先に述べたようなもの(とされている)為に、そのものへの治療的なアプローチは少なく、実際には結果として現れた症状に対しての治療(対症療法)になることが多いようですね。

ストレートネックを生み出す問題を知ることで悪化を食い止め改善させることが重要だということです。

多くの方は仕事などでやむなく姿勢を作られていることが多く、単に「姿勢には気をつけなさい」と言ったところで混乱させる場合があります。それぞれに対して「できる範囲」の取り組みというのがあると思うんですよね。

他の商売を邪魔するつもりはありませんが、あちこちのノボリに書かれている「骨格矯正」みたいなものがあるから大丈夫と思っている方がいたならそれは間違いです。ボタンの掛け違いみたいな問題ではありませんから、いっとき外部から力をかけられたところで元に収まるものではありません。

面白くもなんともない言い方ですが
「地道に管理しましょうね」といったところです。




ストレートネックだからといって必ず症状があるわけではなく、無症状の人もたくさんいます。
いつも患者さんには言いますが、症状には必ず複数の原因が関与しています。

多くの方が「症状ありき」で受診をしてストレートネックを発見されたわけですから「他の原因」にも注意が必要ですよね。そして良くなるものならストレートネック自体も改善したいわけです。

すべて私が担えるものではありませんが
そのうちの幾つかは改善に導けるものと思います。
また、これらの理解を深めてもらうことが将来的な苦痛を一つでも減らせればと思います。


では。






追記

ネットで少し調べてみました。
最近は結構詳しく解説しているサイトも増えましたね。

一方で、なんだか無責任(と思える)ことを書いてるところもあり調べる人も大変だなぁと思います。

自分の考え方に都合の良いページを読むのではなく「症状に」都合の良いページを選びたいですね。





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by real-incho | 2014-06-23 14:38 | 身体の話

他人の夢に私が登場する時は大抵「悪人」であることが多く文句を言われるので、自分が与える印象について時々考えこんでしまうインチョです。



相変わらずダイエットの話題が多い世の中ですが、先日「グルテンフリーダイエット」というのを読みました。

例によって「アメリカでは」とか「セレブに大人気」とか書いてありましたが皆さんはご存知でしょうか。

私は医者でも栄養士でもありませんから
それについて発言力はありませんが、正直「またか」と思いますね。

過去にあった「みのもんた」の例の番組のように、取りあげた食材がスーパーから消えるような傾向を見れば商売としては立派なものなんでしょうが、個人的にはどうもおもしろくありません。

「おもしろいか、おもしろくないか」
で論じてる辺りは私のよろしくない所なんでしょうが、興味の無い事には精力的にはなれないもので仕方ないですね。



私と似たような考え方の投稿があったので紹介しておきます。

コチラ

患者さんや私の聞き及ぶ範囲でダイエットに成功している例では、やはり「王道(言わずもがなという意味)」がベストなんだろうと思われます。

「わかってはいるんですけどねぇ」と
取っ付きにくい手法なのは承知していますので、それでも少しずつできる方法を提案していけたらと考えていますよ。





さて、これに関連して「おもしろい実験」をされているブロクがあったので紹介しておきます。

コチラ

体重が変化しないのに体型が変わるという話はよく聞きますが、カラクリはこんな感じなんでしょうね。

逆に言えば
体重計に乗っていても体型は変えられないということですな。

いつも言っていることですが
そもそもダイエットを考えるキッカケが「体型」なら、それを達成させなければいけないんですよね。
目的が明確なら、それに対しての課題に取り組まなければなりません。


そこを理解した上で「効率的」な方法というのが活きてくるんだと思いますね。



治療院としては「耳つぼ」も提案していますが、これらの事も考えながら進めていけたら良い結果に繋がると思います。


では。





追伸


GWは「気持ちくらいは出血大サービス」期間になってますよ。



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by real-incho | 2014-04-26 10:33 | 身体の話

椎体間の動き

どうもです。
柿ピーはどうしても均等に食べられないインチョです。



患者さんから質問があったのでネタにさせて頂きます。


背骨の運動軸はどこか。
(動きを作る中心はどこか)


珍しい質問をしてくれる方がいたもので
お陰様というか何というか知識を整理する上でも役に立っています。


で、
簡潔に答えるなら
「椎間板内部の髄核」
ということなのですが、少し分かりやすく書きたいと思います。


d0249630_16361536.jpg


腰椎の絵です。左手前が腹側になります。

缶詰の形をした部分(椎体)の間にある
ねずみ色の部分が椎間板です。


椎間板の構造は

d0249630_16361681.jpg


こんな感じ。

説明はいつもの抜粋。
「椎間板(intervertebral discs)は椎体間にあって線維輪(fibrous ring)と髄核(vertebral pulp)からなる。線維輪は交互に異なる方向に斜走するコラーゲン線維を多く含む結合組織性線維層からなり上下椎体と強固に結合している。髄核は線維輪の中心にあってゼラチン様物質の半液状塊からなる。成分の80%は水分で残りは蛋白質、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などである。」





背骨に対して長軸上に圧力がかかると椎間板の線維輪の影響で髄核が圧縮され内部で球を形成して各方向の動きに対して軸を作るということです。下の絵。

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それぞれの動きに対して制限を加えるのが背中側にある関節や周囲に付着する靭帯や筋肉という事になります。

従って、ひとつひとつの椎体間での動きは極めて小さく、これが上下に連なることで大きな動きに繋がるんですね。


椎体間の動きの中心は髄核。
脊柱の動きはそれの複合という事になりますねぇ。




先の抜粋には続きがあって

「椎間板の機能は上下椎体の連結、脊柱の可動性、体重圧などの機械的負荷の緩衝作用である。垂直加重力の3/4を髄核が受け残りを線維輪が負担する。安静臥位時に比較して立位では全脊柱で約2cmの短縮が起こる。椎間板のうち最も加重がかかり大きな可動性が必要なのはL5-S1間(一番下のそれ)であり比較的早期(20代)から変性(加齢性変化)が起こりやすい。」とあります。

立ちっぱなしや座りっぱなしで背骨(特に腰)に加重し続けると劣化がより早期に始まるということです。
椎間板をはじめとした加重にさらされる関節軟骨には、再生(補填?)能力はあっても通常の生活での消耗が上回り相対的に減り行く運命とされています。

立ち姿勢を基準として座っている時の腰にかかる負荷は1.5倍前後になる事を考えると長時間のデスクワークなどは、より腰痛のリスクになるということでしょうね。
(椎間板の負荷による変化のみが症状を誘発するという意味では無く、そこから繋がる周囲の変化なども含むと解釈して下さい。)

昨今、運動不足を自負する方々が増えていて、それを症状の治りにくさに繋げて考える傾向もありますが、別に何か運動をと考える前に小まめに姿勢を変えるように気を付けてみてはいかがでしょうか。

勿論、慢性的な症状がこれらのことで全て解消するわけではありませんが、日常の健康管理のひとつとして役立ててもらえればと思います。




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by real-incho | 2014-03-28 15:17 | 身体の話