「よい姿勢」を考える

治療院のような施設で働いていると
毎日いろいろな質問を受けます。


私も何度か経験しましたが、
テレビやラジオ、雑誌や講演など
大勢を対象に話す場合は概ね一般論に終始せざるを得ず「その人にとって」必要な話になるかというとそうでもない場合が多くなってしまいます。

前の日にテレビを観て行った健康体操で
身体を傷めたとか、よくある話ですよね。


1対1で時間を取り話のできる環境では
その部分を解消する事ができます。


今回は、
数ある質問の中で「姿勢」について
取り上げてみました。
(たまたま読んでいた本にわかりやすく書いてあったので抜粋してみます)

以下
【基礎運動学 第4版 医歯薬出版】
より抜粋です。古い本ですが私の愛読書のひとつで、患者さんへの手当ての基礎を支える本です。

★よい姿勢
よい姿勢か悪い姿勢かを判断する評価基準はどこに視点を置くかによって異なる。力学的には物体としての安定性、力の効率などが問題になり、形態学的には脊椎、四肢の骨格、関節、筋の構造など、神経学的には神経、筋の活動や反射、反応など、運動生理学的には疲労、循環、エネルギー代謝など、心理学的には性格、心理的状態などが評価する時の問題点となる。美学の立場からはプロポーション、表現方法などが中心となる。同一の姿勢でも、それぞれの立場によって異なった意義を持ち理解•評価される。

①力学的立場
静止姿勢では頭部、体幹、四肢の各体節の重心を統合した重心線が支持基底面の中に落ちていること。落ちる部分が中心に近い程安定性がよい。辺縁になるほど回転トルクが生じやすくバランス保持の為の筋活動や靭帯の緊張が必要となる。

②生理学的立場
同一姿勢を長時間保持すると筋の血液循環量が低下して疲労しやすい。僅かずつでも姿勢を変化させることが疲労軽減に有効である。過緊張による筋の強収縮も循環の停滞を起こす。循環器、呼吸器、泌尿器など内臓器官に過剰な圧迫や負担がかからないで正常に機能する姿勢がよい。

③心理学的立場
姿勢は骨格の構造や神経•筋の働きだけで規定されるものではなく、個人の人格(personality)や情緒(emotion)の影響を強く受け、その時の心理的状態を反映する。Gardiner(1964)は、よい姿勢を保持•調整するための基本的な条件として①安定した心理的条件②良好な健康状態③自然で自由な運動を行う機会の多いこと、を挙げている。感情と心の持ち方は神経系全体に強く影響し、個人の姿勢に反映する。

④作業能率的立場
作業姿勢は作業をしている場合の身体各部の相対的位置関係並びに空間で占める位置である。姿勢は静的であるが作業能率をみる時は同時に動的要素も考慮しなければならない。姿勢によって作業を行う際の空間的範囲が規制されこれを作業空間という。作業効率の検討では、実際の作業場面において動作分析や動作•時間分析を行って、その作業に最も適当な姿勢•動作を求める。

⑤美学的立場
人間の姿勢•運動の美しさを論ずる際の判断基準は必ずしも客観的計測だけでなく、芸術的視野からも論じられる。人間の運動の形式美を構成する要素として、つり合い、均整、プロポーション、律動、運動感覚などがある。


以上。

それぞれについてわかったような
わからんようなという感じですが、

重要なことは
立場の違う人達が、それぞれに求める
「よい姿勢」というのは必ずしも一致しないという事です。

「症状を治すため」「美しく魅せるため」「競技能力を高めるため」ほかにもいろいろあるでしょうね。



治療院では専ら
身体的な不調をベースにした方々が多いですので、それらを解消するよう指導しています。


年齢、性別、身長、体重、趣味、仕事、食事、性格、睡眠など一人として同じ人はいませんので必要になる話も当然異なるわけですね。


お友達同士で来院された似たような症状の2人に、それぞれ異なるアドバイスをしたのは決してヒイキとかじゃありませんよ(笑)


と、いいわけしておきます。


では。
[PR]
by real-incho | 2013-11-28 15:57 | 身体の話

平成24年3月から
別院として間借りしていた日野市平山城址公園の施設が26年春に取り壊しが決定し、それに伴い治療院の現地での業務も平成25年末をもって終了する事になりました。

この間多くの方にご利用頂き
感謝と共にご迷惑をお掛けしてしまう事をお詫び申し上げます。


建物の老朽化もあり
いずれはと思っていましたが案外早い
お話です。


元々は患者さんの依頼で始まったこの仕事も年末で1年9ヶ月。
お陰様で相模原に居たのでは出会えなかったような遠方の方々と知り合うきっかけにもなり充実した期間となりました。

立地条件として「駅が近い」という事が
どれほどの影響があるのかも知る事ができましたね。


施設は
学校法人文化学園 文化学園大学の関係で染色などを行う研修施設として、また、服飾関係の方々の作業場(工房)として運営されていたもので、その一部に身を置くことにより知らなかったアレコレを学ぶ事もできました。

そして「ものづくり」や「職人」といった私の好む世界を再確認できた気がします。

私にとっては「一患者」である皆さんが
驚く程有名な方だったり、誰でも知っているブランドの一端を担っていたりと
聞く度に「へー!」とか「ほー!」とか連発していました。

来年以降、相模原まで足を運べない方々に関しては残念に思いますが、この経験を今後に活かせればと考えています。

私の考え方の一つとして
「自分の病態を今より少し深く理解すれば症状の改善に繋がるきっかけになるかもしれないし、もし転院する事になってもそれを踏まえてより自分に合った医療を探す材料になる」というのがあります。

平山城址公園で出会った方々にも
同じようにお話してきたつもりです。
これからの健康管理や医療機関探しに役立てて頂ければ嬉しいです。



相模原の店舗は今まで通り営業しています。
今後とも宜しくお願い致します。



追伸

インフルエンザの流行時期になりました。

先日ニュースで、予防接種を取り止める病院がちらほら出てきたという話題がありました。

個人的には、売り上げを下げるこの決断に若干の信憑性を見ています。

自分の健康に何が必要なのかを多少は考えなければならない世の中になっていますね。

年寄りやお金の無い人に優しくない環境になりつつある中、多少の知識と自己管理の重要性に少しでも貢献できればと日々働いています。


それでは。


はなわ治療院HPはこちらからどうぞ
[PR]
by real-incho | 2013-11-21 14:15 | 連絡事項